税理士 遠藤ヤストモ事務所

フリーランスのための必要経費ABC

                                    2009年6月

勘定科目は、自分の事業にあわせて適当にカスタマイズして使用しますので、自分の事業に頻繁にでてくる経費や集計しておきたい経費については、別途科目を設けて処理します。
 慣れないうちは、最小限の勘定科目で処理をするようにして、よく分からないものや、あまり出てこないものは、雑費で処理しても課税所得には、影響ありません。
 注意を要するのは、備品や車両など、資産に計上して減価償却しなければならないものを一度に費用に計上しないことです。そこで誤ると課税所得に大きな違いがでてきます。

 現在、固定資産の処理については、以下のようになっています。

1)白色申告の場合
 ・10万円未満の固定資産
   消耗品勘定等にして、経費に計上する。
 ・10万円以上20万円未満の固定資産
   資産勘定(一括償却資産勘定)にして、1/3ずつ減価償却費を経費に計上する。
 ・20万円以上の固定資産
   資産勘定(車両や備品など)にして、法定耐用年数で減価償却費を経費に計上する。

2)青色申告の場合
 原則、白色申告の場合と同じですが青色申告者の特典として、平成22年3月31日までは、以下の方法も認められています。(適用期限については、2年ごとに適用延長されています。)
 ・30万円未満の固定資産
   
少額減価償却資産として、一度に経費に計上できる。(ただし合計金額が300万円に達するまで)


 以下、その他必要経費の注意点です。

 

租税公課

 税金のうち、下記のものは経費になります。

 印紙代/個人事業税/固定資産税/業務用の自動車の自動車税/税込経理している場合の納付した消費税など

      個人事業税は、課税の対象とされている指定事業の青色特別控除前の所得が290万円を越えると課税されます。「ライター・文筆業など」は、指定事業になっていないので非課税ですが、「デザイナー」は指定事業になっています。

 

水道光熱費

 事務所兼住宅の場合は、按分が必要です。

 

旅費交通費

  領収書が発行されない交通費は、日付・金額・経路・摘要の記載が必要です。また原則、スイカ等のチャージについては、チャージした日の経費になるのではなく、使用した日の経費になります。チャージした日で処理した場合は、訂正を指摘される場合がございますのでご留意ください。

 

通信費

 宅配便の費用もここで処理しても構いません。

 

広告宣伝費

 HP等の費用は、ここで処理します

 

接待交通費

 仕事上必要な懇親や情報交換のための飲食代は、経費になりますが、領収書に相手先の氏名、人数等を記載する習慣をつけましょう。仕事上招待された冠婚葬祭のための支出(祝儀、香典、交通費)は、招待状等に金額等を記載して領収書の代わりにします。

 

修繕費

 20万円以上の場合は、資産計上して減価償却の対象となる場合があります。

 

消耗品費

 10万円未満の備品の購入や事務用品等の費用はここで処理します。身の回り品でも、仕事用のカバンや名刺入れは経費になりますが、メガネなどは入れないほうが無難です。

 

福利厚生費

  原則、従業員のために使う費用なので専属スタッフがいない場合は、計上できません。そこで、ひとりで仕事をしている場合は、事務所で飲むお茶、コーヒー代ぐらいが経費になります。

 

外注費

  外注した仕事について支払った経費。(支払の際、10%を源泉徴収して、毎月税務署に納付する義務が発生します。)

 

利子割引料

  事務所兼住宅のローンの支払がある場合、利子の事務所分として按分した分は必要経費になります。(ただしその場合、住宅借入金控除については、事務所分の控除を受けられません。)

 

地代家賃

  事務所兼住宅の場合、事務所分として按分した分は必要経費になります。簡単な按分方法としては、3部屋あってその1部屋を事務所として使用している場合は、1/3を必要経費とします。

 

支払手数料

 振込手数料、税理士報酬などを処理します。

 

取材費

 直接取材のために支出した費用などを処理します。飲食代、交通費は、「接待交際費」、「旅費交通費」勘定で処理します。

 

企画研究費

 仕事に必要となる雑誌・書籍などの資料代。業務に直接必要である知識、ノウハウを得るためのセミナー受講料等

 

雑費

  上記のどれにも該当しない経費