税理士 遠藤ヤストモ事務所

フリーランスの消費税の取扱い

                                    2009年5月

前々年の課税売上が1000万円を超えると、消費税を納付する義務が発生しますので、平成20年の売上が1000万円超えた方は、平成22年から消費税の申告が必要になります。

課税売上が5000万円以下の事業者の場合、消費税の計算の方法には、本則課税(原則的な計算の仕方)と簡易課税とがあり、納税者が選択することができます。簡易課税を選択するには、その適用する年の前年1231日までに、所轄の税務署に選択届けを提出しなければなりません。特に選択の意思表示をしなければ、本則課税となります。

自分の場合どちらがトクになるか、試算して節税につなげましょう! ただし注意点として、簡易課税を選択すると、2年間は本則課税に変更できません。

 

 

本則課税の計算方法 

売上に係るあずかった消費税(入金した売上には、5%の消費税が含まれているものとされます。)から、負担した消費税(一般的には、給料、租税公課、支払利子、慶弔金、諸会費、保険料以外の支払った経費には、5%の消費税が含まれています。)を差し引いて残った消費税の額を計算し、申告して納付することになります。

 本則課税の場合、経費を帳簿につけるときに、内容、支払先等を記載しなければなりません。本則課税適用については、帳簿の記入にチョット手間が掛かります。

 

簡易課税の計算方法 

売上が5000万円以下の中小事業者に特別に認められている計算方法です。売上金額が決定したら、それにみなし仕入れ率(営む事業ごとに90%から50%まで決められていてライターなどのフリーランスの場合は、50%です。※2種類以上の事業を営む場合は、別途規定が設けられています。)を掛けて、仕入れ及び経費に係る消費税のみなし計算をします。そして、その金額を売上に係る消費税から差し引いて、納付する消費税を計算し、申告して納付することになります。

 仕入れ及び経費に係る消費税を個別に計算する必要がないため、計算が簡単で、中小事業者については、この方法をとっている方が多いです。

 

どっちがトクか試算する方法 

本則課税の金額(A)と簡易課税の金額(B)を比較します。

 

本則課税の金額(A)

(1)      売上×5÷105

 

(2)      (経費の合計−下記の掲げる経費+土地を除く固定資産の購入価格)×5÷105

※ 経費から控除する科目(これらの経費には、消費税が含まれていません)

租税公課、損害保険料、減価償却費、給料、利子割引料、諸会費、慶弔金、海外出張分の旅費など

     なお、仕入の金額がある場合は、仕入金額を上記の経費の金額に加算します。

 

(3)      納税額

(1)      −(2

 

簡易課税の計算(B)

(1)      売上×5÷105

 

(2)      1)× 50

 

(3)      納税額

1)−(2

 

(A)と(B)を比較してどちらがトクか判断します。簡易課税がトクで、簡易課税を選択する場合は、その前年1231日までに選択届けを提出します。ただし、多額の固定資産を購入する予定がある場合は、本則課税がトクになる場合があるので、注意を要します。