税理士 遠藤ヤストモ事務所
 節税のための法人化のメリットは、社長に対する給料を経費にできることです。社長への給料は、社長の所得税の計算では、収入になりますが、給与所得控除があるため、会社と社長の全体で考えると、所得を圧縮できることになります。
 青色申告特別控除前の所得が、1000万円の個人事業者が法人化した後、この1000万円を社長の給料として払い出し、法人の所得をゼロにすると、会社の税負担は、法人住民税の均等割の7万円のみになります。社長個人の所得金額は、155万円(給与所得控除220万円-青色特別控除消失分65万円)減るので、税負担は51万円(所得税:36万円、住民税:15万円)減り、新たに生じた法人住民税分の7万円を相殺しても44万円減ります。
 会社設立のための設立費用に、約35万円(設立時だけ)と税理士費用の負担が増えますが、その税負担の減少分で、委託できる税理士が見つかれば全体の支出は、減ります。

 ただし、法人税の改正により上記の1000万円が1600万円まで上昇した場合は、給与所得控除分は、会社の所得の計算上加算されるのでこのメリットは、享受できなくなります。そうなる前に対策が、必要になります。 

CASE 1

CASE 2

青色申告と白色申告、どっちがトク?

翻訳家の山下さんの場合

 横浜で翻訳業を営む山下さんは、ここ数年売上が急激に伸びて、1000万円を超えてしまいました。平成19年の住民税の通知の金額をみてビックリ! どうにかして減らせないものかと悩んでいました。そこで3ヶ月前の南米旅行で知り合いになった税理士のサイトウさんに、法人化したらどうかを相談してみることにしました。
 その結果、所得が一定額以上になると、節税のメリットがあるということで、前年の数字をもとにして、平成19年の税額を試算してもらうことにしました。

 山下さんの前年の収入金額は1220万円、青色特別控除後の所得金額が775万円、所得控除が118万円でした。これで平成19年の税額を算定すると154万円(所得税額:88万円、住民税:66万円)でした。
 これに対して、法人化して青色申告特別控除前の所得金額である840万円を社長給与として、山下さんに払い出した場合の全体の税負担は、120万円(法人住民税均等割7万円、所得税61万円、住民税52万円)になり、34万円減少しました。
 サイトウさんへの手数料を20万円払っても、支出を大きく抑えられるようになりました。

収入のほとんどが印税や原稿料である個人で、今年の所得が前年に比べて、大きく増える場合、平均課税の制度を適用すると税負担は、どれだけ減るの?

フリーライターの田代さんの場合

 出版社で編集者の仕事をしていた田代さんは、3年前に独立して雑誌や新聞を中心に執筆活動をしています。前年までは、白色申告をしていましたが、確定申告の時期になると、本業の仕事を数日ストップさせて申告書を書き上げるのが憂鬱でたまりませんでした。 そこで、高校時代の野球部の友人である税理士のサイトウさんに相談したところ、帳簿から申告書の作成までサイトウさんにお願いして、平成19年分から青色申告をすることになりました。
 それに先立って前年の収入で青色申告にしたら、どれだけトクになるかを試算してもらいました。
 田代さんの収入は870万円、経費は380万円、所得控除は120万円で課税所得は370万円でした。青色申告にすると、経費として65万円の特別控除が認められるので課税所得が65万円減って305万円になり、所得税、住民税、国民健康保険の合計で、下記のように17万5500円トクになりました。
 サイトウさんへの手数料を10万円払っても、手もとに7万5000円が残り、これで家計が楽になりそうです。

・白色申告 985,500円
  所得税:272,500円 住民税:370,000円 国民健康保険(所得割のみ):343,000円

・青色申告 810,000円
  所得税:207,500円 住民税:305,000円 国民健康保険(所得割のみ):297,500円

  (注)国民健康保険は、各市町村により若干、格差があります。       

 課税される所得金額(税率を掛ける直前の所得)が、100万円以上あれば青色申告のほうが、トクです。
 青色申告の承認を受け複式簿記で帳簿を記帳すれば、65万円の控除がつきます。65万円に各種税率の合計を掛けた分だけ、トクになります。税率の合計は、最低でも22%(所得税5%、住民税10%、国民健康保険7%)ですから金額にして14万円は、おトクです。
 そこで、それ以下の手数料の税理士を探して帳簿から申告までやってもらえば、その差額分の現金がお財布に残ることになります。

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なぜ、法人化すると、全体の税負担が軽減するのか?